クリニック通信

電車に乗るのが怖くなる

「電車に乗るのが怖くなる。ドアが閉まっている空間が不安で不安でしかたない。」
というような方は、「パニック障害」の可能性があります。

普通の方であれば、電車は閉所とは思われないでしょう。電車にはたくさんの人がいるし、1LDKの住まいや3LDKの住まいに比べても、前から最後の車両まで相当広い空間が存在しています。

しかし、電車のドアが閉まっているときは、自由に降りることができません。
それは、狭い部屋や、エレベーターと同じ状況です。

また、車道や広場などを歩行中に突然、強いストレスを覚え、動悸、息切れ、めまいなどの自律神経症状と空間認知(空間等の情報を収集する力)による強烈な不安感に襲われる人もいます。

「パニック障害」は精神異常と言うよりは脳の異常であると区分されるようになりました。受診する診療科は精神科です。脳の異常は脳神経外科じゃないの?という感覚も分からなくありませんが、脳や神経の異常を全て脳神経外科医が治療しているわけではありません。

脳や神経の異常を診療するのは聞き慣れない「神経内科」といわれる専門医が治療する分野もあります。「神経内科」はパーキンソン病やてんかん脳卒中や認知症などを治療する専門家です。

しかし、「パニック障害」は精神科医が治療する分野となっています。まずは、精神科を受診してみましょう。「パニック障害」でなければ、適切な専門医を紹介してもらえます。

「パニック障害」であれば、精神科で精神療法と薬物療法を受けることができます。

治療の「精神療法」において最も基礎的で重要なものが、「患者様に対する医師の説明」と「心理教育」とされています。医師と患者様が話し合いを深めることによって治療を進めるものです。
場合によっては、カウンセラーさんが根気よく一緒に治療に当たってくれるクリニックもあります。