クリニック通信

人前でひどく緊張してしまう

人前であがりやすい、緊張して声がふるえる、顔が赤くなってしまうなど、以前は対人恐怖症、赤面恐怖症などともいわれていました。もともと内気な人や人前にでるのが苦手な人がいるのは確かですが、人前にでて失敗するのではないか恥ずかしい思いをするのではと不安が過剰になってしまい、そういった場面を避けてしまうことで日常生活や仕事上に支障がでてくれば社交不安障害(社交不安症)の可能性があります。

思春期に教室や人前で恥ずかしい思いをしたことなどをきっかけに発症することもありますが、今まであまり意識していなかったけれど社会人になってふとしたことから発症することもあります。

社交不安障害の症例

症例を示します。20代半ばの女性で受付の仕事をしていました。どちらかというと内気なほうで学生時代も人前に出るのは苦手でしたが、仕事は問題なくできていました。1年位前にたまたま接客中に声がうわずっているのではないか、顔が引きつっているのではないかと気になりました。意識すればするほど緊張するようになり、ついに仕事がつらくなってしまい受診されました。

不安が不安を呼ぶ、仕事に行くのがつらくなる

不安が不安を呼んでいる(予期不安)こと、不安状況を避けるため仕事に行くのがつらくなっている(回避行動)ため、社交不安障害(社交不安症)と診断しました。治療はまず薬物療法で症状を軽減して、認知行動療法的な精神療法で不安状況やストレス状況に対しての耐性も上げていく方向で行い、症状は軽減、職場でも以前と同じように緊張し過ぎることもなく自信を持って仕事ができるように回復し、治療を終結しています。

経過や症状の程度は人によって異なりますが、治療によって症状が軽減すれば、本来の能力や状態を維持して仕事や社会生活を送っていくことが期待できます。決して性格のせいや気持ちの持ちようだけではありません。気になる方はご相談ください。