クリニック通信

ストレスのモニタリング

ストレスの発生源としては職場だけでなく、家庭内の夫婦関係や子供との関係、近所や親戚との関係、また自分自身の内側からとさまざまです。一見よい出来事でも大きな変化であればストレスとなりこころのエネルギーを消耗することもあります。

ストレスとかこころの状態といったとらえにくいものを客観的に正確にモニターすることは困難ですが、体調管理のために自分で血圧や体重や体脂肪などを測定して記録を続けるように、自分自身のストレスの状況や消耗度を数字化して把握、記録できるとこころの健康、バランスを維持していくのに役立つかもしれません。

例えば、こころのエネルギーがフル充電の状態を100としたら今どのくらい?と直感的に自分自身でモニターするだけでも、疲労度を意識しやすくなるかもしれません。こころの状態に悪影響を与える因子としては過労、不眠、過度の不安などがあるので熟睡感や不安度などを自分の感覚を基準にして数字化することも役立つかもしれません。またHolmesらが1967年に発表したストレスマグニチュードというストレスを数値化した表があるので、一部掲載します。6か月で計150以上なら要注意です。

配偶者の死 100 転職 36
離婚73夫婦喧嘩の増加35
親族の死 63200万円以上の借金31
自分のケガや病気 53親戚とのトラブル29
結婚50昇進・降格・移動29
配偶者との和解45配偶者の就職・退職28
退職45上司とのトラブル23
妊娠40勤務条件の変化20
会社の合併・倒産39引っ越し20
親友の死37気晴らしや休養の変化19

こころの不調をきたした場合、早めに対応することで早期回復につながります。セルフモニタリングしながら気になることがあれば気軽に専門機関に相談されることをおすすめします。